上位に出やすい作曲家の傾向としては、
1.有名であること。
当然ですね。課題曲選定者たちの目に止まりやすいという意味で。
2.混声・女声・男声どの分野にも作品を残した人であること。
混声しか書かなかった人よりも、まんべんなく書いた人の方が単純計算で3倍選ばれる機会に恵まれているわけですから。もっとも、2が成り立つのは古典派以降の作曲家であり、ルネサンス・バロック期の作曲家の場合、作曲当時、男声のみ、もしくは男声と児童で歌われていたであろうものを女声合唱として採用している例が多い。
3.無伴奏、もしくはピアノ伴奏の作品をよく書く人。
これも当然。昔はオペラでも管弦楽伴奏の合唱曲でもピアノにリダクションしていましたが、今では行われていません。平成8年度、リストの女声合唱曲「O saltaris Hostia」がオルガン伴奏で、課題曲に収録するにあたってピアノにアレンジされましたが、あれが最後だと思います。
たとえ有名であっても、管弦楽伴奏ばかりのモーツァルトは選ばれにくい。昭和53年度のみ。
4.適度な長さの合唱曲をよく書く人。
課題曲の長さに決まりはありませんが、現状では3分から3分30秒程度の長さのものが好まれるようです。過去には、あくまで市販CDの演奏時間上ですが1分ちょっとのもの(リゲティ「3つの樽」平成9年度)や、5分以上かかるもの(柴田南雄「しようがない」平成15年度)もありました。
5.外国人の場合ラテン語やドイツ語の合唱曲をよく書く人であること。つまりドイツ系の作曲家は有利。
マジャル語の合唱曲はよく歌われるわりには選ばれにくく、コダーイでさえも1回、それもイタリア語の作品しか採用されていません。リゲティ「3つの樽」(平成9年度)が初のマジャル語課題曲です。
英語の合唱曲は出にくい。英語の歌は素人目にもディクションが上手か下手かわかっちゃうので、だからこそ課題曲に指定して合唱団を
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